初診時にはSOAPではなく主訴、現病歴、現症、考察、初期計画という項目で記載します。
S→主訴・現病歴
O→現症
A→考察
P→初期計画
SOAPは個々のプレブレム毎に別々に記載するが、主訴、現病歴、現症、考察、初期計画は、初診時に全部の事についてまとめて記載します。これを元にプロブレムリストを作り問題を整理します。
レセプトの開始日は、この初診を算定した日付がはいります。
主訴は必ず入力します。初診日に主訴を登録するとこの内容が頭書きの主訴欄に印字されます。印字例
主訴は患者さんの言葉で記録します。複数の訴えがある場合ここに列挙しても良いですが、その中で最も強い訴えだけをここに書き、それ以外は現病歴に記載したほうが優先順位が明確になります。
入力方法現病歴は主に主訴に関連した症状経過を記載します。その症状が何時発生し、どのように経過したか、またどのような事を行い、その結果がどうであったか患者さんが語ったことを整理しできれば患者自身のことばを使って記載します。
現病歴は、過去の出来事であり、患者さん自身が語る物語です。できる限り先入観のない記録をすることが大事です。入力方法
現症は視診、触診、エアーによる冷温痛や圧迫痛、咬合痛、EPTなどの各種検査記録など客観的なデータの記録です。
現症は現在の状態を記録するものです。
主訴に関連するものではなく現病歴に語られた事に関する検査も行って記録します。また症状がないという陰性所見もできる限り記載しておきます。
対象となる歯あるいは部位の所見を必ず記載します。
う蝕(透過像)の範囲、歯髄、根管、歯根膜腔、歯槽骨、根尖病変などの所見を記載します。できれば陰性所見も忘れずに。
デンタルのような画像診断は【現症】あるいは【O】の欄に記載します。
いままでにかかった病気や怪我の記録です。現在治療中のものもここに記録します。
歯科のカルテにおいては全身的な疾患の記録という意味合いが強いので、アレルギーや服薬記録(お薬手帳の写し)他科での治療の状況などもここに記録します。
患者さんから聞き取った食事習慣や刷掃習慣、喫煙歴などは現病歴ではなく、この【生活歴】に記載しておくと後で確認しやすくなります。
主訴、現病歴、現症を元にその分析や評価、自身の考えを述べます。治療の目標、方針などもここに書きます。
おおまかな治療の方針はこの範疇ですが、具体的な計画は【計画】に書きます。
【問題リスト】基礎データを元に患者さんが抱えている問題点を抽出し列挙します。基本的には病名ですが、心理的、社会的な問題点も記録します。
【治療計画】具体的な治療計画を列挙します。
入力方法生活習慣等からう蝕の再発防止などの継続的な管理と計画的な治療が必要なため、計画の立案とその説明を行ったので歯科疾患管理料を算定する。
患者さんに文書を渡したので、文書提供加算も算定。
歯管の文書など、カルテの添付する文書はスキャンして、この「添付文書」にしまっておくことができます。ダブルクリックするとスキャンした文書が表示されます。
添付文書は「情報パネル」の「添付文書」にまとめて表示されていますので、過去の文書はこの情報パネルから簡単に閲覧できます。
患者さんへの指導あるいは指示を必ずカルテに記録します。
次回の予定を書いておくと次回の診療への導入がスムーズです。カルテメーカーではこの情報を予約時に反映したり、患者さんへの治療報告書に自動的に反映します。
入力は情報パネルの「治療計画」から簡単に入力できます。
POMRでは患者さんに説明した内容もカルテに記載します。
説明不足を検証すると共に、説明した、しない、というトラブルを避けるためにも必ず記載しておきましょう。
う蝕歯即時充填形成(充形)には、浸麻、歯髄保護処置、特定薬剤、歯冠修復物の除去、窩洞形成、歯面処理、研磨などは所定点数に含まれているので別に算定できません。
「来院」ボタンを押して入力を開始すると自動的に判断して再診が入ります。
プロブレム「右上1番C2」に対するSOAP形式の経過記録
着手時点での経過記録は必須。個別指導においても所見が必須です。
再診時点での「(S)ubjective 主観的事項」を記録します。当該歯の自覚症状、指導に対する結果等を記録します。
プロブレム「右上1番C2」に対するSOAP形式の経過記録
再診時点での「(O)bjective 他覚的事項」を記録します。当該歯に行った視診、触診、打診やEPTのような検査、画像診断等の結果を記録します。
プロブレム「右上1番C2」に対するSOAP形式の経過記録
再診時点での「(A)ssesment 考察」を記録します。S,Oから導き出される診断名や考察、意見等を記録します。
プロブレム「右上1番C2」に対するSOAP形式の経過記録
再診時点での「(P)lan 計画」を記録します。具体的な治療方法を記録します。
麻酔の手技、使用した薬剤名と使用量を記載します。
OA(表面麻酔)も薬剤名を記載するようという指導が多くなってますので注意しましょう。
浸麻の点数は形成、修形、充形に含まれているので算定できませんが、記載は必須です。
光CR充填などで1日で形成から充填、研磨までを済ませた場合は、う蝕歯即時充填形成を算定します。
う蝕歯即時充填形成を算定したので、窩洞形成の点数は算定できません。しかし、処置として行っていますのでカルテに記載します。
歯面処理は現在は充填処置に含まれており別に算定できませんが、使用した処理剤、ボンディング剤をカルテに記載します。
充填に使用した器材や充填方法などを記載しておくといいでしょう。
光CR充の材料料です。使用した材料の名称を記載します。CR充填などではシェードも記録しておくといいでしょう。
研磨も充填処置に含まれますが、カルテ記載がないとしていないと判断されてしまう場合がありますので記載しておきます。
術中、術後の状況はこの部分にSOAP形式で記載します。
【S】には麻酔がしっかり奏功したとか術中術後に違和感や痛み等があったかどうかなど患者さんが感じたことを記載します。
ここでは術前のSOAPと術後のSOAPを分離していますが、一緒にまとめてしまってもかまいません。
修復処置であれば、窩洞の深さや広さ、軟化象牙質の量や質などの状況を記録します。
処置をすることで判明した新たな事実等も記載します。
処置自体の評価、予後を記載します。
今回【P】は書いていないですが、もし、処置の結果、計画が変更等になるのであれば【P】も記載します。
実際に行った処置の内容の説明、予後や今後の計画など患者さんにした説明を記載します。
不快症状が予測される場合や更なる処置が必要になる場合こそ十分な説明が必要ですし、その記録が大事になります。
カルテメーカーではこの説明文を「報告書」という印刷物(あるいは電子メール)で患者さんにお渡しできます。
説明とは別に刷掃指導等や生活習慣に関する指導をした場合は、指導の欄に記載します。
この例のように光CR充填だけで終わった場合でも、一定期間後に経過を診ましょう。特に歯管を算定している場合は、処置や指導の結果を評価しないと計画が完了とはみなされない場合がありますので、一定期間後に必ず受診してもらいましょう。
明細書発行体制等加算はH28改正で届出が不要になりましたので、院内掲示と明細書を発行しているのなら算定できます。
処置した歯の症状の経過を聞いて記録します。
指導に対しての実施状況等も確認しておきましょう。
充填物の状況、打診や冷温痛などの検査結果を記載します。
総合的な評価を書きます。
経過をみたうえで、管理計画などを策定しここに記載します。
当該歯の管理を継続しているので、歯科疾患管理料を算定します。修復した歯の状況や刷掃状況などを記載した文書を発行し、文書提供加算も算定します。
患者さんへの指導あるいは指示を必ずカルテに記録します。